業界をリードした名機の登場
SDE-3000 Digital Delayが発売された1983年、Rolandは既にシンセやドラムマシン、エフェクターやプロセッサーの分野でパイオニア的な存在でした。SDE-3000は、プロのレコーディング・スタジオでの使用をターゲットにしたハイエンドのラックマウント・デジタル・ディレイで、ワールド・スタンダードな機材に成長するまで、それほど長い時間はかかりませんでした。世界中の名だたるギタリスト達がこぞって2台のSDE-3000をラック・システムに組み込み、レコーディングだけでなくライブでも使用するようになり、そのサウンドは瞬く間に全世界へと広まっていったのです。
現在ではデジタル・ディレイは広く一般的なエフェクターとなり、手頃な価格の練習用アンプから、コンパクト・エフェクター、プラグイン・ソフトウェアなど、非常に身近な存在です。しかしながら、1980年代において最先端デジタル・ディレイの象徴であったRolandのSDE-3000は当時の販売価格で約15万円。ステレオで使用したい場合は2台必要だったことは言うまでもありません。