理想のロック・サウンドはさらに進化する
1970~80年代の代表的なハードロック・サウンドは「ブラウン・サウンド」と呼ばれ多くのプレイヤーに支持されています。ではボスの提案する「技ブラウン・サウンド」とはどのようなサウンドなのでしょうか。技アンプの開発を進める中で、我々はプレイヤーのピッキング・ニュアンスを表現する、クリアでダイナミックなレスポンスと同時に、ウォームな真空管の歪みによるバイト感と粘りのあるサスティーンを得ることができました。加えて、ギターのボリュームつまみを下げるだけで、抜けの良いチャンキーなクリーン・サウンドが得られます。結果、リード・トーンは甘くサスティーンし、また、リフやコード・バッキングのサウンドは、粘りと共に、一音一音がクリアになります。そして、プレイヤーの感情に応じて反応するピッキング・ニュアンスは、バンドでの音抜けを際立たせます。技ブラウン・サウンドを創り出すために、ボスのエンジニアは電源電圧の変化と音の関係や、スピーカーや独自に設計したロードボックスを負荷にした時のアンプの挙動について、さまざまな検証に多くの時間と労力を費やしパーフェクトな組み合わせを見つけ出しました。
エンジニアの飽くなき探求
回路のチューニング作業と蓄積されてきた経験と知識を通じて、ボスのエンジニアは理想のブラウン・サウンドを得るための特別な調整を行いました。歴史的に見て、多くのスタック・アンプは複数の真空管を直列に配置し、各段で異なる歪みを加えることによって複雑な倍音を生み出しています。各段のバランスをチューニングすることで基本の歪みは作られますが、基本のサウンドとして表現力が十分ではありませんでした。各段の歪みや他の多くの要素の相互作用を考慮したうえでの微調整が重要な作業となりました。それだけでなく、相互作用する要素がピッキング・アタックにどの程度反応するかの調整、各段の歪みが音のサスティーンによってどのように変化するかを最適にコントロールすることによって、真に表現豊かなサウンドが生まれるという一つの答えにたどり着きました。蓄積されてきたボスの歪みに関する知識とローランドのTube Logicの技術とノウハウをもとに創り出された技ブラウン・サウンドは、サウンドが理想的なものであるというだけでなく、その表現力も理想的な域に達していることを意味します。